山形済生病院の外科・乳腺外科で取り扱う疾患は、消化器外科領域(食道から直腸、肛門までの消化管と肝胆膵疾患)および一般外科領域(乳腺、甲状腺、鼠径ヘルニアなど)の疾患です。現在スタッフは6名で、消化器外科部門は浦山、磯部、川口の消化器外科専門医と乳腺外科部門は乳腺専門医である太田がこれまで通り診療にあたっています。また平成25年からは肝胆膵外科では第一人者で山形大学で長年准教授を務めていた布施明が加わり、さらに平成27年12月からは山形大学から消化器外科専門医・内視鏡外科技術認定医の藤本博人を新たに迎えました。腹腔鏡手術が昨今広まっておりますが、学会から技術認定のお墨付きをいただいているのは山形県内で5人のみで、そのうち2人(川口・藤本)が当院に勤務していることになります。
診療方針は、外科スタッフ間での検討会や消化器内科、放射線科との合同検討会を通して決定していますし、麻酔科、循環器内科、呼吸器内科、脳神経外科、その他の科とも連携し、高齢の方、合併症を持った患者さんについても安全な手術が行える体制の提供に努めています。入院患者さんに対しては主治医(おおむね執刀医)を決めつつも、スタッフ全員が患者さん全員の病状を把握し、グループで診療する体制をとっています。これは手術後の患者さんの容態変化にスタッフの誰もが対応できるために必要と考えており、平日はもちろん、土日にも交代で朝夕の回診を行い、対応できる体制をとっています。
外科で行う治療としては、癌の治療が中心になります。診断は一般的な検査に加えてPET/CT検査やカプセル内視鏡などの診断機器のほか、最近はCT画像を三次元構築し、血管走行を把握し、手術に活用しております。また大腸検査においても注腸造影の代わりにCTコロノグラフィーを行っています。乳腺外科領域ではステレオガイド下マンモトーム生検に加え、エコー下マンモトーム生検により早期乳癌の発見に努めています。
手術は患者さんの病態に応じて、目的を明確にした上で術式の決定をしています。また長期的な観点から、根治性を損なわずに、なるべく機能を温存しQOLを重視した手術を目指しています(胃全摘後のポーチ再建など)。腹腔鏡手術もその適応を明確にし、利点欠点を考慮して術式の選択を行っています。前述したとおり、当院では日本内視鏡外科学会の技術認定医の2人を中心に、胆石症(急性胆嚢炎では早期手術など緊急対応を行っています)、早期胃癌、大腸癌、虫垂炎などを腹腔鏡下に安全・確実に行っております。乳癌手術においてもセンチネルリンパ節生検を行い、不要な腋窩リンパ節郭清を回避しつつ、ガイドラインに沿って温存手術を心がけています。さらに術後のスムーズな回復に向けて、当院の充実したリハビリ部門を積極的に活用しています。
手術以外では癌に対する化学療法(抗癌剤治療)にも力を入れています。平成23年度には外来化学療法室を移転、増設しました(12床)。がん化学療法認定看護師が専従しており、認定薬剤師とともに患者さんを安全面、精神面などでサポートしています。また平成24年からは緩和ケアチームも活動を開始しており、緩和医療の充実にも努めています。病棟には緩和ケア認定看護師とがん専門看護師が配置されています。山形大学放射線治療科、腫瘍内科より医師派遣の下、キャンサーボード(がん患者の治療に関する合同の検討会)が定期的に開催されており、患者さんの治療方針決定に役立っています。いずれの場合でも各疾患の診療ガイドラインを基本としながら患者さんの状態を加味して、充分な説明を行い、お互いに納得の行く医療を心掛けております。
日々進歩する医療知識、技術等のソフト面にも対応すべく、積極的に学会活動や専門医、認定医の取得なども行っています。その結果、日本外科学会専門医修練施設、日本消化器外科学会専門医修練施設、日本乳癌学会認定施設、日本がん治療認定医機構認定研修施設などの認定を取得しています。
 
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太田圭治(S57年医師免許・医学博士)

 
日本乳癌学会〔専門医〕
日本乳癌検診学会
検診マンモグラフィ読影認定 As
日本外科学会〔専門医〕
日本消化器外科学会〔認定医〕
日本がん治療認定医機構〔がん治療認定医〕
日本臨床外科学会
日本腹部救急医学会
乳腺疾患、マンモグラフィ読影指導、消化器一般、内視鏡手術、化学療法
医師臨床研修指導医
 


布施 明(S55年医師免許・医学博士)

 
日本外科学会〔専門医・指導医〕
日本消化器病学会〔専門医・指導医〕
日本消化器外科学会
日本肝胆膵外科学会
日本胆道学会
日本膵臓学会
日本臨床外科学会
消化器一般、肝・胆・膵疾患
 


浦山雅弘(S62年医師免許・医学博士)

 
日本外科学会〔専門医・指導医〕
日本消化器外科学会〔専門医・認定医・指導医〕
日本消化器病学会〔消化器病専門医・指導医〕
日本癌治療学会〔臨床試験登録医〕
日本がん治療認定医機構〔暫定教育医・がん治療認定医〕
日本緩和医療学会
日本大腸肛門病学会
日本胃癌学会
日本臨床外科学会
日本乳癌学会
日本在宅医学会
日本在宅医療学会
消化器一般、大腸疾患、化学療法、緩和医療、救急医療
医師臨床研修指導医
 


磯部秀樹(平成元年医師免許・医学博士)

 
日本外科学会〔専門医〕
日本消化器外科学会〔専門医・消化器がん外科治療認定医〕
日本消化器病学会〔専門医〕
日本がん治療認定医機構〔がん治療認定医〕
日本大腸肛門病学会
日本臨床外科学会
日本癌治療学会
日本感染症学会〔ICD〕
日本臨床肛門病学会
消化器一般、大腸、肛門疾患、内視鏡手術、化学療法
医師臨床研修指導医
 


川口 清(H4年医師免許)

 
日本外科学会〔専門医・指導医〕
日本消化器外科学会〔専門医・消化器がん外科治療認定医・指導医〕
日本消化器病学会〔消化器病専門医・指導医〕
日本がん治療認定医機構〔暫定教育医・がん治療認定医〕
日本内視鏡外科学会〔技術認定医〕
日本胃癌学会
日本臨床外科学会
日本肝胆膵外科学会
日本腹部救急医学会
消化器一般、上部消化管疾患、内視鏡手術
医師臨床研修指導医
 


藤本博人(H14年医師免許)

 
日本外科学会〔専門医〕
日本消化器外科学会〔専門医・消化器がん外科治療認定医〕
日本内視鏡外科学会〔技術認定医〕
日本食道学会〔食道科認定医〕
日本臨床外科学会
日本癌治療学会
日本肝胆膵外科学会
日本胸部外科学会
消化器一般,内視鏡外科
 



 


2010年  2011年  2012年  2013年 2014年 2015年

 外科手術件数
478  458  464 496 442 490
       
     

麻酔別
           

 全身麻酔 313  283  259 318 257 281
   腰椎麻酔 130  125  145 129 131 144
   局所麻酔 35  50  60 49 54 65
               

主な疾患別
           

 食道癌
2 1 0 1
   胃癌 51(6)  47(11)  51(6) 57(14) 41(5) 40(7)
   大腸癌 61(8)  64(12)  44(12) 51(9) 54(16) 66(10)
   肝胆膵癌 23  18  12 28 24 21
   乳癌 50 28  43 53 48 48
   胆石 62(45)  73(54)  48(39) 66(55) 37(34) 53(38)
   鼠径ヘルニア 107  115  123 104 102 102
   虫垂炎 29 14(3)  22(7) 20(7) 13(1) 12(3)
   甲状腺 12  13 13 14 17
           
 
( )は腹腔鏡下手術
胆石には胃や大腸と一緒に切除したものも含む

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