薬剤部


 昨今、患者さんに質の高い医療を提供するため、チーム医療が重要視されています。私たち病院薬剤師はチーム医療の中、薬の専門家としての知識・技能を駆使して、薬物療法、医薬品の適正使用、医療安全等に貢献することが求められています。
患者さんが安心し、また、安全に治療を受けられるよう、他の医療スタッフと協力しながら、病棟や外来化学療法室、入退院センター等、病院内の様々なところで業務を行っています。また、薬学生の長期実務実習受入れを行い、次世代の薬剤師育成にも取り組んでいます。 
 病院薬剤師の業務は多岐にわたります。主な業務を以下に紹介します。

●一般調剤

 
 
 医師の処方に基づき、処方内容について薬の量・飲み方・飲み合わせ・副作用などのチェックを行い、個々の患者さんに適した形で調剤しています。処方内容に疑問な点があれば医師に問い合わせ、確認を行なっています。また、調剤薬の監査は調剤者以外の薬剤師によるダブルチェック体制を確立し、安全に薬を提供できるように努めています。
当院では平成24年3月より院外処方せんの発行を開始しています。外来処方の大半は病院から発行する処方箋に基づき保険薬局で調剤する院外処方へと移行しており、病院薬剤師は、主に入院患者さんの処方に携わっています。院外処方により、患者さんには、詳しい薬の説明が受けられ、複数の病院から処方された薬の飲み合わせが確認できるというメリットがあります。
*詳細は院外処方せん発行のお知らせのページをご覧ください。

 
 
 
 
 

●注射剤調剤

 
 
 処方内容について、投与量・経路・速度・期間・配合変化などのチェックを行い、注射薬の調製(抗がん剤、高カロリー輸液)や調剤を行います。また、PET薬剤の合成や品質管理も行っています。
 
 処方内容が適切であるかを確認し、患者さんごとに注射薬を調剤し供給しています。抗がん剤の調製は、まず、レジメンごと、患者さんごとに薬歴を作成し、薬剤師2名で監査を行い確認後に調製します。調製の際は、医療スタッフの被曝防止の観点から、安全キャビネットで閉鎖式システムを用いて行なわれます。当院独自に作成したバーコード監査システムを使用し、抗がん剤の取り違い防止や調製液量の確認などを行っています。
また、在宅患者の高カロリー輸液(Total Parenteral Nutrition:TPN)調製、携帯型ディスポーザブル注入ポンプへの薬剤充填などの調製も行っています。

 
 
 

 
 
 

●薬剤管理指導業務・病棟薬剤業務

 
 
 当院では薬剤投与後の「薬剤管理指導業務」に加え、平成25年5月より投与前の「病棟薬剤業務」を開始しました。病棟における薬剤師の活躍の場はさらに広がり、私たち薬剤師の仕事は大きな変革を迎えています。
「薬剤師の質の向上は医療の質の向上」ととらえ、医師、看護師、その他医療スタッフから、チーム医療になくてはならない存在として、薬剤師が求められるよう日々研鑽しています。そしてチーム医療を通じ、患者さんには安全で安心な薬物治療を受けていただけるよう、細心の注意をはらって薬の説明をさせていただいています。
 
 

 
 
 

●DI業務 

 
 
 医薬品情報管理室では、専任の薬剤師が医薬品情報の「収集」、「管理」、「伝達」を行っています。インターネット環境を駆使し、各企業のDIセンターや担当MRを通じて基本的な情報を収集しています。収集した情報は、分類・整理・評価を行い、院内の対応を立案していきます。情報の伝達手段として、DI-NET、DI情報紙、院内メール等を使い分けながら、正確・確実・わかりやすい情報の伝達に努めています。
 

 
 
 

●製剤(院内特殊製剤)

 
 
 患者さんの病態やニーズに対応するため、経済性、安定性の面から市販されていない薬剤の調製を行っています。院内特殊製剤の中には、未承認医薬品や試薬を製剤化するもの、適応外使用するものもあり、必要に応じ倫理審査委員会で審査されます。申請書が提出されると薬剤部では、有効性・安全性、原料の調達、製剤手順、製剤化したものの使用期限などを検討します。

 
 
 

●薬剤投与計画

 
 
 抗MRSA薬など投与量の調整が必要な薬剤について、薬物治療モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring:TDM)を行なっています。薬物血中濃度をもとに、患者の検査データ、年齢、疾患、臨床症状などの情報を考慮し、より安全でより効果的な投与量・投与方法を設計し、医師に情報提供を行うことで個々の患者さんに合わせた適切な薬物療法を支えています。

●PET/CTセンター

 
 
 PET/CT検査に使用する放射線薬剤フルオロデオキシグルコース(FDG)は、院内の製造施設で製造されます。薬剤師は製造工程で、薬剤の合成から品質管理及び各種検定に関わっています。また、ホットラボ(PET薬剤製造室)の環境測定試験を行うなど、製造衛生管理基準に則った管理を行っています。
*詳細はPET/CTセンターのページをご覧ください。

 
 
 

●チーム医療

 
 
 
○NST、褥瘡対策委員会
 当院のNST(栄養サポートチーム:Nutrition Support Team)は平成17年にNST稼動施設認定を受け、医師、管理栄養士、看護師などとともに、患者さんの栄養状態を評価し、適切な栄養管理のサポートを行なっています。週1回のカンファレンス・回診の中で薬剤師は患者さんの投薬状況を確認し輸液や内服薬の提案などを行っています。また、皮膚・排泄ケア(WOC)認定看護師を中心に活動している褥瘡対策委員会があり、NST担当薬剤師も褥瘡回診に月1回参加しています。
*活動の詳細はNST(栄養サポートチーム)のページをご覧ください。
 

 
 
 

○ICT
 ICT(感染制御チーム:Infection Control Team)は週1回院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うと共に、院内感染防止対策の実施状況の把握及び指導を行っています。薬剤師は、抗菌薬の適正使用の観点から、抗MRSA薬のTDM処方設計などに関わっています。また、特定抗菌薬の使用については届出制をとっており、使用患者や使用状況を把握し、院内感染対策委員会に報告しています。
 当院は感染防止対策加算1を取得しており、当該医療機関と定期的な合同カンファレンスを開催するなど連携を図り、地域での感染対策に取組んでいます。
*活動の詳細はICT(感染制御チーム)のページをご覧ください。




○緩和ケア
 緩和ケアチームは、医師・薬剤師・看護師・理学療法士・栄養士・MSWなど多くの職種で構成されています。薬剤師は、全人的疼痛に対して薬物治療の面から貢献しています。患者さんへの服薬指導はもちろんのこと、痛みの程度や副作用などの状況を把握し、処方提案を行なっています。

○外来化学療法室
 医師・看護師・薬剤師が協力して運用しています。薬剤師は、患者さんへの服薬指導、副作用モニタリング、副作用への対応、処方提案やお薬手帳へのレジメン内容の記載などをおこなっています。

 
 

 

○入退院センター
 
 入退院センターでは、患者さんが安心して入退院出来るよう、看護師・薬剤師・MSW・事務職員等がサポートを行なっています。薬剤師は、患者さんが服用している医薬品の鑑別(医薬品名・薬効・服用方法等)を行ないます。また、手術や検査前に中止しなければならない医薬品を確認し、患者さんへ説明を行ないます。
 

 
 

○糖尿病教室

 糖尿病治療を受けられている、入院・外来患者さんを対象にした糖尿病教室が、月に2回開催されています。薬剤師は1回目の教室に参加し、スライドを使いながら、糖尿病治療薬の薬効や副作用、薬の飲み方や使い方、インスリン治療について、低血糖症状と対処方法等をお話ししています。



○薬学実務実習

 6年制薬学教育の導入で必修となった、薬学生長期実務実習の受け入れを行っています。
実習内容は、注射剤の調剤や無菌調製、ベッドサイドでの服薬指導といったカリキュラムの内容に加え、病棟業務、ICT、NST、緩和ケア、がん化学療法等のチーム医療への参加等、病院ならではの業務を経験できるよう取り組んでいます。




当院の薬剤部には、28名の薬剤師が在籍し、最新の医療を安全に提供するため、日々研鑽に励んでおります。ここでは、当院の薬剤師が取得している主な資格をご紹介いたします。
 
※ 資格名(取得人数)
日本静脈経腸栄養学会栄養サポートチーム(NST)専門療法士(1名)
日本病院薬剤師会がん薬物療法認定薬剤師 1名  
日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師 2名
日本糖尿病療養指導士 1名  
認定実務実習指導薬剤師 2名
日本病院薬剤師会認定指導薬剤師 10名
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師 7名
骨粗鬆症マネージャー 1名
 
(平成29年9月1日現在)


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